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【亀戸中央公園】8月24日(日)自然観察会『公園の緑陰で涼を体感しよう』を開催しました!
- 亀戸中央公園
いつも亀戸中央公園をご利用いただきありがとうございます。
8月24日(日)は自然観察会『公園の緑陰で涼を体感しよう』が開催されました。
当日は東京都下で今年最高気温となる猛暑日でしたが、ご参加くださったみなさまありがとうございました。
まずは先生から本日の解説です。
今回はサブタイトルに『都心の緑の意義と効用』とあるように、亀戸中央公園をはじめ都立公園の成り立ちや、その効用などをまずはご説明いただきました 。
また、この時期の亀戸中央公園の見どころや、今回のテーマである『緑陰』に関連して、夏の緑を表す言葉などを教えていただきました。
<暦と言葉>
〇二十四節気は『処暑』
暦の上では秋。処暑とは、暑さが少しやわらぐころのことだが…。
〇七十二候は、処暑の初候の『綿の柎開く(わたのはなしべひらく)』
ちょうど綿の花が咲き始めるころ。
〇夏の緑を表す言葉
緑陰(りょくいん) 夏木立(なつこだち) 木下闇(きのしたやみ)など
<公園の成り立ち>
〇明治6年の太政官府布達で誕生した公園
上野公園(寛永寺)、浅草公園(浅草寺)、芝公園(増上寺)、
深川公園(富岡八幡)、飛鳥山公園(王子権現)の5つが東京都内に誕生
<公園緑地の効果>
〇都市機能、都市環境構造上にもたらされる効果
・都市形態規制効果…無秩序な市街化の防止
・環境衛生効果…ヒートアイランドの緩和ほか
・防災効果…大規模地震火災時の避難地、延焼防止ほか
:
など
〇公園を利用する都市住民にもたらされる効果
・心身の健康の維持増進効果
・子供の健全な育成効果
・教養、文化的活動など様々な余暇活動の場
:
など
また、亀戸中央公園でこの時期に見られる樹々や草花、生き物などを、たくさんの写真をまじえて解説されました。
そしていよいよ現地での観察です。
今回は、『緑陰で涼を楽しむ』がテーマなので、できるだけ木陰を伝うように歩きました。
そのルートを記したマップに沿って、トピックをご紹介いたします。
(※写真は、同日午後にあらためて撮影したものも含みます)
<①C地区トイレそばの花壇>
〇イッサイサルスベリ
背の高くならない品種のサルスベリで、間近で花を観察できます。
英名の『Crepe Myrtle(クレープ・マートル)』の名前通り、クレープのように複雑にひだを作る花びらが特徴です。
〇ワタ
『綿の柎開く』の言葉通り、綿の花が咲いていました。
大きく開いた黄色の花弁が綺麗です。
<②タブノキの落ち葉>
園路をはずれて林の中を歩きます。
足元にはタブノキの落ち葉がたくさん。
秋に一斉に葉を落とす落葉樹とは違って、常緑樹のタブノキはこうしていつの間にか葉を落としているのですね。
これを、『ときわぎ落ち葉』と言うそうです。
<③旧中川沿いの外周の林>
まさに緑陰といった濃い影を落とす樹々の下を歩くと、旧中川から涼しい川風が吹いてきます。
園内でも一番の『”涼”スポット』です。
<④桜の木にキマダラカメムシ>
一本の桜の木にキマダラカメムシがたくさん集まっていました。
幹に3匹、太目の枝にも3~4匹いました。
<⑤マテバシイ>
バグズガーデンそばに、マテバシイがまとまって植えられており、今年もたくさんの実をつけています。
マテバシイは2年かけて実が熟します。
大きい実は昨年受粉したもので、その横の細いとげとげの枝が、今年受粉して来年実になる当年枝です。
<⑥JR鉄橋下の土手>
東京スカイツリーを眺めながら、鉄橋の影で休憩をとります。
川風に吹かれながら、アオサギやコサギなど、先生から鳥の説明をうかがいます。
<⑦どんぐり山>
コナラやクヌギ、アラカシ、シラカシなど、どんぐりをたくさんつける樹々。
その見分け方を教わりながら、木陰の散策を楽しみます。
<⑧クヌギに集まるアカボシゴマダラ蝶>
どんぐり山のはずれの1本のクヌギの木に、蝶々がたくさん集まっていました。
アカボシゴマダラ蝶、ゴマダラ蝶などがいました。
<⑨サザンカの実>
中央休憩所からの階段脇に、サザンカが実をつけているのを見つけました。
サザンカの実は、ツバキと違って毛が生えているのが特徴です。
ここで拾った実を、あとでヤブツバキの実と並べてみました。
大きさもずいぶん違うのがわかります。
<⑩A地区JR高架そばの林の中>
A地区入り口のメタセコイア並木を抜けたら、また園路をはずれて林の中に入ります。
林の中でもいろいろ興味深いものが見られました。
〇たくさんの実をつけたイスノキ
〇モチノキにたくさんのセミの抜け殻
<⑪ユズリハの実>
ユズリハには、実をつける雌株と実をつけない雄株があります。
ちょうどこの場所では、雌株と雄株が近くにあり、雌株の方に実がなっているのを観察しました。
<⑫A地区正面階段そば>
〇シマサルスベリ
ゴール地点A地区正面階段そばには、園内に1本しかないシマサルスベリが植えられています。
ほとんどの枝は花が終わって実をつけはじめていましたが、いくつか咲いている枝を見ることができました。
〇サンゴジュ
珊瑚のように真っ赤な実をつけるサンゴジュ。
夏の日差しにとても映える色で、この時だけは日なたでもかまわずに写真を撮りたくなりました。
この日はとても気温の高い日でしたが、ずっと木陰を歩いていたことと、こまめに休憩をとったことで、みなさん無事に完走していただけました。
今回ご紹介したものは先生のお話の中の一部分で、観察会ではもっとたくさんの様々なお話をうかがいました。
参加者様からは、「何か所か涼を感じました」「アカボシゴマダラがしっかり観察できてよかった」「インストラクターの先生のお話がわかりやすかった」「普段見過ごしていた自然の面白さに気づくことができた」「亀戸中央公園の中にこれだけ多様な植物や虫がいることがわかった」などのご感想をいただきました。
どうもありがとうございました。
次回の自然観察会は、9月20日(土)に開催予定です。
『中秋の風景を楽しもう』がテーマとなります。
みなさまのご参加をお待ちしています。