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【亀戸中央公園】6月15日(日)自然観察会『梅雨に咲く花』を開催しました
- 亀戸中央公園
いつも亀戸中央公園をご利用いただきありがとうございます。
6月15日(日)は自然観察会『梅雨に咲く花』が開催されました。
梅雨どきということで雨もようでしたが、ご参加くださったみなさまありがとうございました。
まずは先生から本日の解説です。
今回のメインはやはりアジサイです。
主なアジサイの種類の説明や、亀戸中央公園とその周辺で見られるものの詳細な解説をいただきました。
<アジサイは日本が原産>
(1)ガクアジサイ
伊豆半島や伊豆諸島に自生するガクアジサイがアジサイの原種で、真ん中のポチポチと小さい『両性花』と、それをとりまく『装飾花』で構成される。
(2)アジサイ(ホンアジサイ)
自然界で『両性花』が『装飾花』に変化して、『半てまり』や『てまり』になった変わり花を栽培した種をホンアジサイ、単にアジサイとも言う。
(3)ヒメアジサイ
ホンアジサイとエゾアジサイの交雑種で、瑠璃色の花。
多くの寺社などで植えられているが、特に鎌倉の明月院が有名で、その名をとって明月院ブルーとも呼ばれる。
(4)ヤマアジサイ
関東以西の本州、四国、九州に自生。
各地の環境によって花の形に様々なバリエーションがある。
ガクアジサイと違って、葉が薄く小さい。花も小さくて繊細な色を表現する。
(5)セイヨウアジサイ
ホンアジサイが西洋で改良されたものが日本に逆輸入された品種群。
花が茎の先に1つなのが西洋系で、複数にわかれて咲いているのが日本系と見分けられる。
(6)アナベル
北米東南部原産の白色の大きなテマリアジサイ。
また、この時期に亀戸中央公園内で観察できる花や草について、写真入りの資料とともに解説をいただきました。
以下、現地での観察時の解説に加えて、この時のお話も合わせてご紹介いたします。
(※写真は、同日午後にあらためて撮影したものも含みます)
【アジサイ】
<ガクアジサイ>
C地区サービスセンターのすぐ前に、大きなガクアジサイが植えられています。
真ん中の両性花が咲いている様子を観察しました。
また、C地区から旧中川沿いへ出る園路のアジサイエリアにも、ガクアジサイがあります。
ガクアジサイは海辺の潮風に負けないよう葉が厚く大きく、花も大きいとのことで、その大きな葉を観察しました。
あまりに見事な葉なので、料理の皿の飾りに使ってしまう方が時々いるようですが、この葉は毒を持っているので、決して口にしてはいけません。
公園をご利用の際もご注意ください。
<ヤマアジサイ>
アジサイエリアには、ヤマアジサイも植えられています。
薄紅や薄青の繊細な色の装飾花と、薄く小さな葉が特徴です。
ガクアジサイとの違いを観察しました。
<セイヨウアジサイ>
欧米で好まれる大きく華やかな花が特徴です。
特に鮮やかなピンクのものが最近増えています。
<アナベルほか>
亀戸中央公園から出て、旧中川水辺公園のアジサイエリアでも観察しました。
それぞれの特徴を把握するため、まずは土手の上からながめます。
白い大きな花が特徴のアナベルもたくさん植えられています。
咲き始めはライムグリーンの色が、だんだん真っ白になっていきます。
今年はちょうど見ごろの時期に当たったので、たっぷりと観察できました。
ここからは、先生がご説明くださったものを順不同でご紹介します。
<マテバシイ>
マテバシイは、実がどんぐりになるまで2年かかります。
先っぽにある小さいトゲのようなものを付けているのが今年の枝。
もう少し根元に近いところにある大き目の実を付けているのが昨年の枝。
今年の秋にはこの枝の実がどんぐりとなって落ちてきます。
ちょうど受粉が終わった時期で、木の根元には雄花がどっさり落ちていました。
<ナツツバキ>
B地区のじゃぶじゃぶ池そばと、亀戸スポーツセンター横の入り口のところに、ナツツバキが植えられています。
ちょうどいまが見ごろで、たくさんの花をつけていました。
<ネジバナ>
ピンクの可愛い花を螺旋状につけることで人気のネジバナ。
土手や道端でも見かける身近な花ですが、ランの仲間です。
ランの仲間はその生育に特別な菌が必要で、土壌環境が合わないとうまく育たないのだそうです。
今回の観察会では、運よくネジバナの自生地を何か所か見つけることができました。
<ヒメイワダレソウ>
A地区の正面階段下の植え込みのところに、ヒメイワダレソウが植えられています。
いまがちょうど見ごろの時期で、可愛い白い花をたくさん咲かせています。
ヒメイワダレソウはグランドカバー植物としてとても優秀で、雑草よけによく植えられているそうです。
<その他の野草>
ツユクサ:
花をつぶして出る青い色は、エチゼン染めの下書きに使われるそうです。
色は鮮やかですが、水で洗えば消えるから、とのこと。
ハナヤエムグラ:
園路脇のサツキの根もとや、林床にたくさん生えています。
小さな白い星のような花が可愛いですね。
ワルナスビ:
草刈り前の林床地に生えていました。
花は白く茄子の花に似ていますが、茎も葉も、全体が鋭いトゲでびっしりとおおわれていて、うっかり掴むとたいへんです。
ブタナ:
葉がロゼットになっており、土を掘り返すことのできる豚にしか食べられない(牛やヤギには食べられない)という意味で、この名がついたと言われています。
今回ご紹介したものは先生のお話の中の一部分で、観察会ではもっとたくさんの様々なお話をうかがいました。
参加者様からは、「雨の中の公園は、草やコケが生き生きして見えました」「ネジバナがランの仲間だとは知りませんでした」「小雨でよかったです」などのご感想をいただきました。
どうもありがとうございました。
7月の自然観察会は、特別回となります。
下記の通り、2回に分けてセミの羽化の観察を行います。
・7月24日(木)18:30~ 講師による親子向け観察会
・7月26日(土)19:00~ 職員による大人向け観察会
また、通常開催は8月24日(日)となります。
『公園の緑陰で涼を体験しよう』をテーマに開催予定です。
みなさまのご参加をお待ちしています。