ブログ
【亀戸中央公園】12月7日(土)自然観察会『サザンカガイドツアー』ご報告
- 亀戸中央公園
いつも亀戸中央公園をご利用いただきありがとうございます。
12月7日(土)は自然観察会の特別会として『サザンカガイドツアー(2回目)』が開催されました。
たくさんのご参加、ありがとうございました。
まずは先生から本日の解説です。
前回に引き続き、「サザンカ鑑賞の豆知識」と、「亀戸中央公園のサザンカ」についての説明を受けます。
(1)サザンカは日本の固有種:沖縄、九州。山口県、愛媛県に分布
(2)サザンカの特徴
・芳香をもつ。花びらがハラハラと散る。原種は白い花で花弁は5枚。
・花びらが散るさまが俳句などに多く詠まれている。
・サザンカの園芸種は300種以上。
(3)サザンカの分類
・サザンカ群:サザンカの自生種に近いグループ
・カンツバキ群:寒椿(獅子頭)の実生またはその後代のグループ
・ハルサザンカ系:サザンカとツバキの園芸種またはその後代のグループ
資料をもとに、それぞれの品種の系統や特徴などの説明を受けます。
そしていよいよ現地での観察です。
先生の解説とともに、みなさんにご覧いただいたサザンカや園内の風景をご紹介します。
(※写真は、同日午後にあらためて撮影したものも含みます)
【C地区テニスコート周りとサザンカ山周辺】
<想夫恋(そうふれん)>
C地区に1本だけある『想夫恋』。今年はたくさんの花をつけています。
白い花の中央にほんのり紅がさしているのが特徴で、正式名称は『日の出富士』です。
<昭和の栄(しょうわのさかえ)>
大きな木にたくさんのピンクの花をつけているのが『昭和の栄』。
花の美しさを鑑賞することももちろんですが、花の中央をじっくりと観察してみて下さい。
おしべが白く平たく、花弁化しているのがわかります。
八重咲きの花はみなおしべが花弁化しているのですが、その特徴をはっきりと観察できるのが昭和の栄だということです。
<立寒椿の枝変わり>
多目的広場横の大きな立寒椿に、一部、斑入り(ふいり)の花が咲いていました。
これを「枝変わり(えだがわり)」と言い、交雑などが原因で起こるそうです。
江戸時代の品種改良などでは、こうした枝変わりを見つけて増やしていく手法が主に使われていたそうです。
<初光(はつひかり)>
亀戸中央公園の中で、寒椿・立寒椿をのぞけば最も本数が多いのが初光です。
サザンカ山周辺や、多目的広場の周りにたくさん植えられています。
大輪の白い花の外側がほんのりピンクなのが特徴です。
<富士の峰(ふじのみね)>
サザンカ山の向かい側の一画に、富士の峰が5本ほど植えられています。
つぼみも花もほぼ真っ白なのが特徴です。
向かい側の初光の周辺がほんのりピンクがかっているのと、ぜひ見比べてみて下さい。
<星飛竜(ほしひりゅう)>
テニスコートそばの奥まったところに、星飛竜が咲いていました。
少し離れていても、白い斑が入っているのがわかります。
名前の「星」は、「斑入り」を意味しています。
他にも斑入りを表す言葉として、「~絞り」があります。
【B地区芝生広場近辺】
<原種(げんしゅ)>
B地区のトイレそばの芝生広場に、原種の木が2本植えられています。
前回は片方だけが満開だったのですが、今回は、もう一方の木が満開になっていました。
そして、前回満開だった方の木の花はほぼ終わっていました。
『原種』は、品種の名前ではなく、『野生種』という意味なので、挿し木などで増やした園芸種とは違い、1本1本咲く時期や特徴が異なるとのことです。
この2本の原種も、花の形や大きさもよく見ると少し違っています。
<サザンカとツバキの見分け方>
原種の木のそばに、「サザンカとツバキの見分け方」が書かれた掲示板があります。
この掲示板で先生のご説明を聞きました。
<三国紅(みくにこう)と夕陽(せきよう)>
アンズ林の前の園路沿いに、サザンカの混植エリアがあります。
この植え込みには、三国紅と夕陽(と、乙女と立寒椿)がひとかたまりになって植えられています。
サザンカ図鑑の写真を参照し、それぞれの特徴を観察しました。
ピンクの花は乙女。赤花は、向かって右から三国紅、立寒椿、夕陽です。
<見驚(けんきょう)>
みごとに色づいたイチョウをバックに見驚(白い花)を含む植え込みです。
見驚は「見て驚く」との名前通り、大きな白い花が特徴です。
隣のピンク色の乙女と比べると、その大きさがよくわかります。
<昭和錦(しょうわにしき)、今川絞り(いまがわしぼり)、有希(ゆうき)>
混植エリアに咲いている花々です。
園路側からだけでなく、芝生広場側からもぜひごらんになってください。
【A地区】
<メタセコイア>
亀戸中央公園では、メタセコイアの紅葉もいまが見ごろです。
B地区からA地区への入り口で、しばし足をとめて見上げます。
<時計塔周り>
A地区は、時計塔周辺を中心に、想夫恋がたくさん植えられています。
昨年は夏の暑さのせいか、だいぶ花が少なかったのですが、今年はとてもきれいにたくさんの花をつけています。
合わせて、立寒椿や獅子頭(寒椿)もたくさん植えられており、赤花と白花の対比を楽しんでいただけます。
ご参加のみなさん、思い思いに写真を撮っておられました。
今年は昨年と比べてどの木も花付きがよく、またこのガイドツアー2回目の開催時期も昨年より10日ほど遅らせたこともあって、みなさんにたくさんの花を楽しんでいただくことができました。
先生の解説も絶好調で、いつものことながら全部をご紹介できないのが残念です。参加者様からは、「先生がとても知識豊富で、たいへんわかりやすく説明してもいただきました」「サザンカきれいでした。いまつぼみのものが咲くころにまた来てみようと思います」「たくさんのサザンカの品種と特徴をご説明いただき、たいへん勉強になりました」「初光の白い花に魅了されました。美しいの一言です」「サザンカに興味を持ちました」などのご感想をいただきました。
次回の自然観察会は通常開催にもどって、来年の2月15日(土)となります。
テーマは、「冬越しの生き物たちを探そう」です。
生物や植物、冬の公園にもたくさんの見どころがあります。
みなさまのご参加を心からお待ちしています。
今回ご紹介したサザンカが多いエリアの位置は、こちらのサザンカマップを参照ください。(2025.1.6修正)
またこのマップは、サービスセンターでも配布しています。
亀戸中央公園にお越しの際は、ぜひご活用ください。